「小1の壁」を超えワークライフバランスを叶える在宅勤務という働き方改革

「小1の壁」という言葉を知っていますか?
子どもが保育園から小学校に進んだときに、保護者がぶち当たるといわれる障壁のことです。保育園より預かり時間が短い学童保育、けっこう頻繁にある参観や懇談、PTA活動、日々の宿題や夏休みなどの宿題フォロー……なんとなく、世間では「子どもが就学したら楽になる」と思われているようですが、実は働く親にとっては負担が増えることが多いのです。

親もいっぱいいっぱいですが、子どもの心理的負担も大きくなりがちです。
小学生になると、力も強くなり口も達者になってくるため、学童保育内でもトラブルが起こりやすいようです。そんな小学生を相手にするためか、学童指導の先生たちも厳しくなってしまうこともあるようで、結果、「学童に行くより家でお留守番するほうがいい」と、学童保育を退所する子どももチラホラいるそうです。
日本はまだまだ女親の家事・育児負担率が大きいため、そんなこんなで、小1の壁を乗り越えられず転職や退職まで考えてしまうお母さんも中にはいると聞きます。

働き方改革の柱となる「テレワーク」の在宅勤務

そんな働く子育て世代にとって、「あったらいいな」と思うのが在宅勤務という働き方。政府が推進するテレワークのひとつの形として注目されています。
テレワークとは、情報通信技術(ICT)を利用することによって、在宅勤務など時間や場所にとらわれることなく柔軟に働ける方法で、働き方改革の一環として推進されています。
2017年度の総務省調査によると、従業員300人以下の企業において、テレワークの導入率はわずか3%。
しかし、社内制度面・情報システム面においていずれも導入可能な環境が整っている企業は約21%、どちらかの面で導入済み企業と同じ水準を満たしている企業は約35%と、半数を超えた企業にその可能性が開けています。

これからの日本は、子育てだけでなく、超高齢化社会による介護負担なども懸念されるため、ワークライフバランスを重視した働き方は最重要課題だといっても過言ではありません。
ICTの発達により、クラウド型アプリなどを利用すれば、離れた場所でも社内サーバーのように情報共有が可能です。それなのに、導入にためらう企業が多いのも現実。
もしも、あなたの職場に提案箱のようなものがあるとか、社長に直接意見できる規模の会社である場合は、転職や退職を考える前に思い切ってテレワークの導入を提案してみてはいかがでしょうか。

自分で起こす働き方改革!

やりがいを持って働いていて一定の評価も得ているのに、「小1の壁にぶち当たって慣れた職場を離れる」などということはもったいないです!
辞めるほどまでに追いつめられているのなら、政府も推進しているテレワークの導入を検討してもらえるよう会社に持ち掛けてみるのも一手です。

中小企業における労働時間改善の取り組みとして、時間外労働等改善助成金(テレワークコース)というものがあります。
テレワークに二の足を踏む企業はセキュリティ面と労務管理面を懸念している傾向があるので、それらをクリアしたツールを導入し、あなたの手で職場に働き方改革を起こしてみてはどうでしょうか。上役にプレゼンテーションしてみる価値はあるかもしれません。

完全な在宅ワークは難しいとしても、テレワークという制度が社内に導入されていれば、週何度かだけの出勤や、子どもの帰宅時間に帰って以降は在宅で……といった部分在宅勤務も可能となります。たとえば雪の日や台風の日なども、危険を冒して出勤する必要はありません。
うまく行けば、職場の効率化や他の従業員のワークライフバランス改善にも貢献する可能性もあるのです。

労働世代こそワークライフバランスを大切に

日本という国の労働環境はあらゆる世代に厳しいです。子どもは親と過ごせる時間が少なくなり、労働世代は家族との時間も自分の時間も犠牲にしがち、だからといって退職した後も、自由な時間はあっても年金だけで生活するのは厳しいというのが現実です。

それならせめて、働いているうちからワークライフバランスを向上させて、家族との時間や自分の時間を確保するほうがいいのではないでしょうか。
ICTはその環境を可能としています。仕事で私生活を犠牲にしていないで、もっとフレキシブルな働き方を取り入れるべき時代なのです。

「小1の壁」を超えても、学童保育の退所を余儀なくされる小4の壁や、子どもの受験、親の介護など、今後もいろいろな障壁が想定できます。
退職や転職を考える前に、いまやっている仕事を在宅でできる可能性はないか、模索してみてもいいのではないでしょうか。

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