時間の見える化で変わり始めた、制作現場の意識改革。株式会社タノシナルが取り組むTimeCrowdでの工数管理

動画制作やイベント企画運営、ブランディングなど、幅広い分野でオーダーメイドの制作を手がける株式会社タノシナル

「いいものをつくりたい」というクリエイティブへの強い思いと生産性の両立を目指し、同社は2024年よりTimeCrowdを導入しました。主に映像制作やイベント運営などのプロジェクト進行において活用しており、導入から社内展開をリードした取締役の福島佐知子様は、工数管理の可視化によって、社内スタッフに時間に対する意識の変化が生まれたといいます。

どのようにTimeCrowdの活用を進め、社内にどのような変化を感じたのかを詳しく伺いました。

■プロフィール

取締役
福島佐知子 様

動画制作からイベント運営まで、さまざまなプロジェクトの工数管理にTimeCrowdを活用中

──まずは、貴社の事業についてお聞かせください。

タノシナルは、動画制作やイベント企画運営、ブランディング、PR、商品企画など、さまざまな制作を行う企業です。企業向けの映像社内報や、社内総会の企画運営なども手がけています。

関西の人が“楽しくなる”ことを「楽しなる!」と言うのですが、その響きがとても気に入ったことが社名の由来になりました。その言葉通り、私たちは企画や準備のプロセスも楽しみながら創りあげ、従来の枠にとらわれない発信方法で、参加する皆さまを飽きさせない、心に響く場づくりを目指しています。

また、別事業として自社でカフェ・ショップの運営や大規模フードイベントの開催も行っています。2017年には、東京・新木場に「生きた時間と空間を可視化する」をコンセプトとしたコンプレックス・スペース「CASICA」をオープンしました。事業形態は異なりますが、「生きた時間」というキーワードはTimeCrowdとも重なりますね。

【CASICA様ホームページより】

──貴社との思わぬつながりがあって、嬉しく思います!現在、TimeCrowdはどのように活用されていますか?

動画やイベントの制作プロジェクトで活用中です。当社では、企画・制作・運営を一気通貫で社内のメンバーが担当するのが大きな特徴です。ディレクター・デザイナー・動画編集担当・イベント運営スタッフなど、各ポジションの工数管理をTimeCrowd上で行っています。

柔軟な工数管理と他ツール連携がTimeCrowd導入の決め手に

──TimeCrowd導入前に、業務上で抱えていた課題はありますか?

プロジェクトの工数管理が十分にできていない点に悩んでいました。一つのプロジェクトにおいて誰がどのくらい稼働していて、どれほどの工数がかかっているのか、把握できていない状況だったのです。そのため、プロジェクトが終わってから、見積もり工数との大きな乖離が判明することも少なくありませんでした。

制作の現場では、全員が「いいものをつくりたい」という熱量を持っているゆえ、効率や生産性の視点がおろそかになりがちです。こだわろうと思えば、細部までいくらでも時間をかけて作り込めますからね。

ただ、お客様により良い支援を続けていくためには、会社としての成長や、利益を生み出すことも欠かせません。そこで、工数の可視化が重要だと考えるようになりました。

──そうした課題に対して、今までどのような取り組みをされてきたのでしょうか?

エクセルでの工数入力や日報など、いろいろな方法を試してきましたがなかなか定着せず、TimeCrowdの導入前は、勤怠管理・経費精算・工数管理が一体化したツールを活用していました。しかし、そのツールは途中の工数変更にうまく対応できない仕様で、使いづらさを感じていたんです。

プロジェクトでは、お客様との打ち合わせを重ねる中で追加要望が発生し、当初の見積もりや予定工数が変更になることが頻繁にあります。お客様に柔軟に対応しつつ、プロジェクトの途中段階で進捗を確認できて、社内で軌道修正を図れるような状態にしたいと考えていました。

──TimeCrowdは、どのような点が導入の決め手になりましたか?

工数管理ができそうなツールを洗い出し、各社に相談させていただきましたが、お話を伺った中でTimeCrowdが一番柔軟に対応してくれると感じたことが決め手でした。そもそも、プロジェクトの見積工数や予算の途中変更に対応できるツールがほとんどなかった点も大きな理由の一つです。

工数管理ツールを切り替えるとなると、これまで旧ツールに内包されていた勤怠管理や経費精算のツールも新たに導入しなければなりません。そのため、他ツールとの連携のしやすさは最も大きな判断軸でした。また、実際に社内スタッフが使いやすいかどうかも重視しました。

タイムクラウド社は、連携のためのカスタマイズにも親身に相談に乗り、解決策を提案してくださったのが印象的でしたね。工数管理を入力する社内スタッフには見える機能を制限して、シンプルに表示できる点も魅力的でした。

私はシステムに詳しくないので、やりたいことがどこまで実現可能なのか不安だったのですが、皆さんが丁寧に説明してくださったので安心できました。

工数や利益の「見える化」で変わり始めた、社内スタッフの意識

──TimeCrowdの導入開始は、2024年の初め頃でしたね。

はい。導入直後からツール間の連携やカスタマイズを進め、3月から社内メンバーに工数入力を開始してもらいました。さらに夏頃には、メンバー全員の工数入力をもとに、人件費や経費を含めた原価、予算に対する粗利を可視化したボードを社内公開しました。

【TimeCrowdに入力したデータを元に作成したダッシュボードの例】

※上記レポートはイメージです。実際のレポートではございません。

──社内での活用浸透は、スムーズに進みましたか?

最初は、やはりみんなタイムリーな入力が難しい様子でした。しかし、全員の工数入力が正確でないと、ボード上で表示される粗利の数字もおかしくなってしまいます。

それを見て「あれ、こんなはずじゃないのに」「自分が正確に工数を入力すればきちんと粗利が見えるはず」とスタッフが気づき、自発的にTimeCrowdを確認しにいってくれるようになったんです。プロジェクトの進捗を見える化するために、リーダークラスのメンバーが工数入力の重要性を日々伝えてくれているおかげでもあります。

──TimeCrowdの導入後、感じられた効果があれば教えてください。

まだ定量的な効果を示せるわけではないのですが、一人ひとりのメンバーの意識が少しずつ変わってきていると感じます。

具体的には、ただ単に工数を管理するだけではなく、「この作業は本当に3時間かける必要があったのか」「クオリティを落とさず、効率化するにはどうしたらいいか」といった会話が生まれるようになりました。

プロジェクト内で、誰がどの作業にどのくらい時間がかかっているかが共有できる状態になったのは大きかったですね。TimeCrowd上でお互いの進捗を確認することを基本に、定例会議への参加人数を減らすなどの具体的な施策にもつながっています。

また、スタッフの間では数字への関心も高まってきています。「もっと粗利を意識しよう」「予定していた時間内で、最大のパフォーマンスを出そう」といった空気が醸成されてきました。中長期的に見て、事業成長にも良い影響を与えてくれるのではないかと期待しています。

【TimeCrowd上での個人レポート画面例】

※上記レポートはイメージです。実際のレポートではございません。

より良い時間の使い方を実現し、組織としても成長していきたい

──今後の展望についてお聞かせください。

過去のプロジェクトでの工数実績をもとに「この案件にはこれくらいの時間が必要」という見立てができるようになれば、今後は社内での予算立てが可能になると考えています。

工程ごとの必要時間を事前に計画・実行できる体制を整え、リソースの最適化によってより多くのお客様に価値を提供できる組織となっていきたいですね。

現在、タイムクラウド社には工数管理にとどまらず、予実分析などのデータ活用においても親身なサポートをいただいています。こんなに伴走してくれる存在は本当に貴重で、非常にありがたく感じています。

──最後に、TimeCrowdの導入をおすすめするとしたら、どのような企業だと思われますか?

特に、私たちのようにイベントや映像の制作を手がける企業には、工数管理の意識を浸透させることは簡単ではありませんが、だからこそ意味があると感じています。

経営者の視点では、クリエイティブの質を保ちながら、社内で働くメンバーの働き方も整えていかなければなりません。タノシナルも、より良い時間の使い方を実現することで、組織全体のパフォーマンス向上を目指していきたいと思います。

編集後記

クリエイティブの現場において、品質と効率のバランスを取ることは決して容易ではありません。TimeCrowdでの工数管理を通じて工数や利益に対する意識の変化が生まれたことで、従業員一人一人が時間の使い方を見直し、組織全体の成長につながる土壌が育まれている例として、参考にいただけますと幸いです。

TimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、簡単に工数データを入力できます。また、カレンダーアプリ(Google・Outlook)と連携することで、予定していたスケジュールをもとに自動で打刻することも可能です。

また「誰が・どのプロジェクトに・どれくらい時間をかけているのか」を正確に確認できるため、担当者ごとに作業時間を算出して、作業時間の指標作成や業務標準化に役立てることもできます。

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