労務管理にも活用!Webデザイン会社が実践するTimeCrowdの活用法とは

“「らしさ」をデザインする”というビジョンの下、Webサイト制作やグラフィックデザインを手掛ける有限会社デザインスタジオ・エル(以下、デザインスタジオ・エル)は、バックオフィスのデジタル化の一環で、TimeCrowdを導入しました。

デザインスタジオ・エルでは、TimeCrowdを活用し、見積もりの精度向上やより正確な労務管理の実現など、さまざまな課題解決に取り組んでいます。

 

今回は有限会社デザインスタジオ・エル 代表取締役社長 原弘始(ハラ ヒロシ)様に、TimeCrowdを導入した理由や活用方法をお聞きしました。

 

 

有限会社デザインスタジオ・エル 代表取締役社長 原弘始(ハラ ヒロシ)様

1998年、新卒でデザインスタジオ・エル入社。2000年以降、MdN、Web creators誌などの執筆や、デザイン系の著書・共著を6冊上梓(海外翻訳版を含め累計発行部数約17万部)。2007年 web事業部設立。担当取締役に就任。2011年 常務取締役に就任。2020年 代表取締役に就任。

 


TimeCrowd導入前の課題・目的

  • クライアントへの見積り金額の精度向上や、作業効率の向上を行いたかった
  • 業務時間をより正確に記録することで、月次損益の正確な把握や経営計画の策定などに活用したかった

 

TimeCrowd導入後の効果

  • TimeCrowdを人件費などの経費の計算に活用することで、月次損益が正確に把握できるようになった
  • 会社全体として、時間に対する意識を高められた

 

ビジョン”「らしさ」をデザインする”について

デザインスタジオ・エルのビション、”「らしさ」をデザインする”に込めた思いをお聞かせください。

ハラ:当社は「自分たちのデザイン」をするのではなく、お客様の「らしさ」を追求し、その「らしさ」をデザインしています。そうすることで、お客様のいいところや伝えたいことを一緒に見つけて、つくり、そして育てていきたいと考えています。お客様の数だけ「らしさ」はあるため、実績は堅いイメージのものから柔らかいものまで幅広い点が特徴です。

 

ご実績をいくつか見させていただいて宜しいでしょうか。

ハラ:たとえば、文字と彫りの技にこだわるはんこ屋「土屋印店様」のサイトリニューアルを担当させていただきました。

 

土屋印店様のHPのトップ。サイトリニューアルの裏側はデザインスタジオ・エルのnote「土屋印店様webサイトができるまで」でも公開中

 

ハラ:「脱はんこ」の流れの中でも、技術の高い人にはんこを作ってもらいたい人はいるはずです。そういった方々に向け、印章彫刻の技術をアピールしつつ、土屋印店・6代目の土屋さんの実直で控えめなお人柄も丁寧に表現するサイトにしました。

 

また、長野県松本市で清酒製造をされている「大信州様」のWebサイトリニューアルも担当させていただきました。

大信州様のHPのトップ。デザインスタジオ・エルでは、実際に蔵に足を運んで、日本酒の製造過程を何度も見学し、大信州「らしさ」を探った

 

ハラ:大信州はもともとファンの多いお酒です。Webサイトはファンの方が見ても誇らしいと思えるものにしようと、大信州の持つ世界観や美意識、美学を書道で表現してみました。

 

そのほか、デザインスタジオ・エルの実績はこちらから。

 

労務管理に活用できている点が大きなメリット

TimeCrowdはどのような目的意識から導入されましたか?

ハラ:大きく5点あります。

  • 見積もり金額の精度向上:作業時間を正確に計測し、クライアントへ渡す見積もり金額を定量的に算出する
  • 作業効率の向上:過去の作業時間を参考に、一人一人のスキルや状況に応じたスケジュールを組むことで、作業効率を向上させる
  • バックオフィスのデジタル化:TimeCrowd導入により手書きだった制作伝票をデジタル化するなど、バックオフィスのデジタル化を推進する
  • 労務管理業務における活用:業務時間をより正確に記録することで、月次損益の正確な把握や経営計画の策定などにも活用する
  • 人材育成での活用:各々の状況に適した目標を立てる際に、過去の作業時間の記録を活用する

これらのうち、個人的にはTimeCrowdを労務管理業務に活用できている点に大きなメリットを感じています。

 

労務管理において、TimeCrowdをどのように活用されているのでしょうか。

ハラ:成果物を引き渡していなくても、受注から納品するまでさまざまな製造原価(コスト)が掛かっています。そのひとつが人件費です。どの案件にどれだけの人的資源を投入しているのかをTimeCrowdで把握し、一案件ごと“人“について原価管理をしています。

 

納品していない案件は売り上げとして計上しません。正確な業績把握には収益と費用を対応させる必要があるため、掛かった経費も売り上げと同様に、その月の経費として捉えず繰り延べる必要があります。

 

当社ではなかなか掴みづらいのが人件費でしたが、それがこのTimeCrowdが可能にしてくれました。

TimeCrowdに記録することで、引き渡していない案件に直接掛かった人件費を把握することができました。それを会計数値に反映させることで月次業績把握の精度が高まっていると実感しています。正確な業績をいち早く把握することが、次の意思決定に役立つものと考えています。

 

 

会社全体で時間への意識が高まってきた

TimeCrowdはどのような使い方をされていますか?

ハラ:メンバー全員が全業務の時間を計測しています。概ね全員、タスクに合わせてリアルタイムに記録するか、終業時にまとめて記録しているようですが、私の場合は朝一番にその日の業務をTimeCrowdで記録することもあります。

 

ハラ様はなぜ朝一番に記録をつけているのでしょうか?

ハラ:朝に記録をつけることで、その日の業務を頭の中に常に置く状態をつくり、業務に関する着想のきっかけを逃さないようにしています。

 

もともと出社時に、タスクを付箋に書いて貼っておき、「何か刺激やひらめきがあったときに、頭の中にあるタスクと結びつけて、アイデアにする」というクセがあったのですが、それに近いのかもしれません。事前に記録つけた場合は、終業時に調整をして正確な記録を残すようにしています。

 

「付箋を貼っておく」という使い方に近いんですね。TimeCrowdの導入により会社全体としてどのような変化がありましたか?

ハラ:TimeCrowdの使用が直結しているかどうかは人それぞれだと思いますが、会社全体として、「時間に対する意識を高められている」と感じています。

 

だらだらと働くのではなく、限られた時間という制約の中で最大限の力を発揮することは非常に大切なことでしょう。その点、会社として、「一人一人時間を意識して、皆で効率的に働こう」という空気にはなっていると感じます。

年間休日も昨年までは105日と少ない会社でしたが、2021年から123日に増やしました。これも「時間に対する意識・価値」を高められているからこそ、できたことだと思います。

 

年間休日を1年間で18日間も増やされたんですね。従業員にTimeCrowdの使用を習慣化させる工夫などあれば教えてください。

ハラ:TimeCrowdを導入した時期は事業承継と重なり会社全体が大きく変わろうとするタイミングでした。そのため、メンバーみんなが「新鮮な気持ちで仕事をしよう」と思っていてくれたと思います。そのようなタイミングだったので、新しいツールを導入することへのハードルが高くなかった点は大きかったと感じています。

また「なんとなく時間管理したいからご協力お願いします」ではなく、会社が目指す未来や価値観をメンバーと共有しつつ、「皆が働きやすい会社にするためにも時間管理が必要」だということを伝えられたのもポイントだったと思います。

 

 

数ある時間管理ツールの中で、TimeCrowdを選ばれた理由を教えてください。

ハラ:まず「使用感が良い」ことです。加えて、「メンバーの記録を確認できる点」、「一人一人の単価計算ができる点」、「レポート機能」がある点もTimeCrowdを選んだ理由です。

 

TimeCrowdにあったら良いなと思う機能はありますか?

ハラ:タスク開始時のカテゴリー検索は以前から待ち望んでいたのですが、アップデートされて嬉しく思います。

 


TimeCrowdでは以前より要望の多かったカテゴリー検索機能を追加。今後も機能改善・機能追加を予定している

 

欲を言えば、「タスクの階層化」ができたら良いなと思います。現在はタスクを選択するとき、ずらりと並んでいるタスクの中から該当のものを選択していますが、「クライアント名→各タスク」にように階層化されて、さくさく選択できるようになれば、より使いやすさが増すと思いました。

 

最後に時間管理ツールを検討している方へ、メッセージをお願いいたします。

TimeCrowdは使用感がすごく良いため、記録をつけるというハードルを越えさえすれば、すんなりと日常のタスクの中に溶け込んでいけると思います。また、TimeCrowdの活用により、「時間の効率化を進め、必要な時間にリソースを割く」ことの後押しになるはずです。とくに当社のように一人一人の時間の価値を高めていきたいと考える方はTimeCrowdの使用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

編集後記

TimeCrowdの活用法は会社や使用者によってもさまざまですが、労務管理の観点からも活用されている方は、導入事例インタビューの中ではハラ様が初めてでした。業務の効率性向上や業務時間の可視化を主な目的に時間管理ツールを導入する企業も少なくない中、取材を通して、「労務管理に活かしたい」「従業員の時間の使い方に対する意識を高めて欲しい」という企業にも、TimeCrowdとの親和性が高いことがよくわかりました。

 

TimeCrowdに戻る