昨今、働き方改革やリモートワークの普及により、業務改善の重要性が高まっています。それに伴い、業務改善ツールも様々なものが出てきています。
業務改善ツールをうまく活用すれば、今までの業務が一気に楽になったり、自動化して人の手作業が不要になるなど、業務改善ツール導入のメリットは大きいです。
しかし、業務改善ツールについて調べると沢山の種類があるため、
「そもそも、どんなツールがあるの?」
「無料で導入できるの?有料にするタイミングは?」
「自作できるって本当?」
など、わからないことが多く悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務改善ツールの種類・自作の方法・個人向けにおすすめのツールをご紹介します。
業務改善ツールの種類
まずはじめに、自社にあったツールを選ぶ上で理解しておきたい業務改善ツールの種類について解説します。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとは、ビジネスチャットなど、社内外のコミュニケーションを円滑にするツールです。リモートワークの普及に伴い重要性が高まり、一般化しつつあります。
チャットツールの代表的なものとしては、Slack、ChatWork、Microsoft Teamsなどがあります。Web会議ツールは、Zoom・Google Meetなどが代表的です。
タスク・プロジェクト管理ツール
タスク・プロジェクト管理ツールは、タスクやプロジェクトの進捗状況を見える化し、管理しやすくすることを目的としたツールです。今日誰がどんなタスクを進めているのか、プロジェクトに遅れはないか、ひと目でわかるようになります。Trello、Backlog、Asanaなどが代表的です。
RPA
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、簡単に言うとパソコン上での繰り返し作業・単純作業を人間の代わりに自動で行ってくれるソフトウェアです。人手不足の解消・生産性向上に効果を発揮します。代表的なツールとしてはBizRobo!・Asteria Warp Core・Robotic Crowdなどがあります。
名刺管理ツール
名刺管理ツールは、その名の通り名刺をスキャンし、データ化してくれるツールです。今まで紙で保管していた名刺をデータ化しておくことで、管理・共有をしやすくできます。Sansan、Eight、ホットプロファイルなどが代表的です。
ペーパーレス化ツール
ペーパーレス化ツールを使えば、紙で印刷していた情報をデータ化することによって、紙代や管理コストの削減が可能です。マニュアルなどをデータ化する情報共有ツールと、契約書などの書類をペーパーレスでやり取りできる電子契約・署名ツールがあります。
情報共有ツールの代表的なものはNotion、NotePM、Stockがあります。電子契約ツールはクラウドサイン、DocuSignなどが代表的です。
時間管理ツール「TimeCrowd」
時間管理ツール「TimeCrowd」は、業務の中で何にどれくらい時間がかかっているのかを見える化できるツールです。生産性向上・作業時間の可視化に役立ちます。
Time Crowdは、シンプルな時間管理ツールで、簡単な操作で社内のメンバーの動きを見える化できます。レポート機能で分析も可能なので、生産性向上に効果的です。
業務改善に取り組む上で、まず導入を検討したいツールと言えるでしょう。
無料で始められるおすすめ業務改善ツール
業務改善ツールの中には、無料で利用を開始できるものがあります。無料の範囲でも幅広い機能を使えるものも多いです。
導入の際は、まず無料で利用してみて、業務改善の効果が期待できるようならより便利な有料版に移行しましょう。
Excel
Excelは、使いこなせばさまざまな業務の簡略化や自動化が行えるため業務改善に役立ちます。多くの企業のパソコンに入っているため、既に使っている方も多いかもしれません。もしもExcelがパソコンに入っていなくても、Web版なら無料で利用を開始することができます。
Slack
代表的なコミュニケーションツールとしてご紹介したSlackですが、無料でもチャンネル作成は無制限、10,000件のメッセージまでは検索可能です。1対1の音声通話・ビデオ通話機能も利用できます。
Google Drive
Google Driveは、Googleの提供する無料で利用を開始できるクラウドストレージサービスです。文書ファイルはもちろん、写真や動画などを保存・共有することができます。
また、オンライン上で文書作成ができるGoogle ドキュメント、Excelのような表計算ができるGoogle スプレッドシート、PowerPointのような資料が簡単につくれるGoogle スライドも無料で使うことができます。
ChatWork
ChatWorkは、前述したSlackに似た機能を持った認知度の高いチャットツールです。基本的な機能は無料で使うことができます。セキュリティレベルが高く、大企業や官公庁でも使用されているため、セキュリティに不安を感じる方でも安心して利用することができます。
Stock
Stockは、初心者でも扱いやすい無料で始められる情報共有ツールです。情報共有ツールは多機能で初心者の方にはハードルが高く感じられることもありますが、Stockはとてもシンプルなツールのため、誰もが必要な情報にすぐにアクセスできます。
Notion
NotionはStockと同じ情報共有ツールですが、こちらはかなり多機能です。ツールの使用感に慣れる必要がありますが、無料でもページ数が無制限に作成でき、個人で使用する分には有料版と機能にほとんど差がありません。使いこなせれば非常に便利なツールです。
Eight
Eightは、名刺管理ツールです。スマートフォンアプリで名刺を撮影するだけでデータ化し、簡単に名刺情報にアクセスできます。個人向けであれば、基本無料で利用できます。
Zoom
Zoomは、無料で利用開始できるWeb会議ツールです。無料版だと一度のWeb会議に時間制限があるものの、画面共有や録画機能など、ほとんどの機能が利用できます。
業務改善ツールは自作も可能
業務改善ツールは自分自身で開発することもできます。以下で、その方法について解説します。
VBA
VBAとは、ExcelなどのマイクロソフトOffice製品で使えるプログラミング言語です。ExcelやWordなど、マイクロソフト製品で行っている作業を自動化したいなら、VBAがオススメです。
プログラミングというと難しく感じられるかもしれませんが、VBAは他のプログラミング言語に比べて簡易的なため、初めてプログラミングを学ぶ方にもオススメです。但し、マイクロソフト製品でしか利用できないのでその点は注意が必要です。
VBAで自動化できる業務は以下のようなものです。
- ExcelやWordで作成している請求書など定形ドキュメントの一括作成
- Excelで作成している毎週の作業チェックリストの作成・印刷まで自動化
- Outlookと連携しExcelで自動作成したファイルをメールで送信
Python
PythonはVBAのようにマイクロソフト製品でしか扱えないという縛りはなく、さまざまな業務自動化が可能です。例えば、以下のような業務を自動化できます。
- 画像の切り抜きやサイズ変更を一括で実行
- Webサイト上の情報を収集
- ブラウザで決まったWebサイトを表示・操作
もちろん、ExcelやWordの操作も可能です。Pythonは本格的な開発にも使われるプログラミング言語なので、簡易的なVBAよりは難易度は上がります。ただし、文法がシンプルなため、プログラミング初心者も比較的学びやすい言語です。
Google App Script
Google Apps Scriptは、Googleが開発し提供しているプログラミング言語です。GASとも呼ばれます。Googleのアカウントとインターネット環境さえあれば、使うことができます。Google製品の業務自動化をしたいなら、Google Apps Scriptで行うのがおすすめです。
以下がGoogle Apps Scriptでの自動化例です。
- Googleスプレッドシートを自動更新する
- Googleカレンダーの予定を自動で登録・編集する
- Googleスプレッドシートの内容をもとにメールを送信する
業務改善アプリ作成サービスを利用する
上記でプログラミング言語を使って業務を自動化する方法をご紹介しましたが、ノーコードで簡単に業務改善アプリを作成できるサービスもあります。
代表的なノーコードアプリ開発ツールであるUnitBaseやCELFは「誰でも簡単に業務改善できる」ことを目的としているため、専門知識不要で使うことが出来ます。
個人におすすめの業務改善ツール
個人単位でも業務改善が期待できるおすすめのツールを紹介します。
Asana
タスク管理ツールであるAsanaは、ほとんどの機能を無料で利用できます。シンプルで直感的に使えるため個人から小さなチームでのタスク管理に最適です。SlackやGmailとも簡単に連携できるので、タスクが完了したら通知するなど、タスクの漏れをなくしたい場合にも役立ちます。
Evernote
Evernoteは情報のストックに役立ちます。チーム用も存在しますが、個人向けをメインに作られているアプリです。ほとんどの機能を無料で利用できます。アイデアなどをメモとして残しておくことはもちろん、Web上で気になった情報をボタンひとつで保存することができたり、SlackやGmailと連携してSlackでの会話をまとめておくなど、様々な使い方が可能です。
付箋(旧:Sticky Notes)
付箋(旧:Sticky Notes)は、Windowsに標準搭載されている付箋アプリです。機能はシンプルでWindowsのデスクトップに付箋のようなメモを貼っておくことができます。スマホで使うことができないのが難点ですが、忘れないよう一時的なメモをしておく、といった場面では非常に便利です。
Google Workspace
上記でも紹介したGoogleドライブを始めとするGoogleが提供するさまざまなツールがGoogle Workspaceにまとまっています。従来は企業向けを中心としたサービスでしたが、2021年6月以降、Google Workspaceの多くの機能が無料で使えるようになったので、企業利用でない限りは、無料で十分利用できます。
最適なツールを導入して業務改善を実現しよう
本記事でご紹介した以外にも数多くの業務改善ツールがありますが、大切なのは目的に合ったツールを選び、使いこなすことです。どのような業務を改善し、どのような成果を得たいのか、目的を定めてからツールを選定しましょう。