業務改善の方法とは?6つの手順と役立つフレームワークやツールも解説

「業務改善に取り組みたいが、何から始めればよいのだろう」「業務改善の方法がわからない」といった悩みを抱える方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、そのような方向けに業務改善の方法と手順について解説します。目的とポイント、役立つフレームワークやツールも紹介しますので、業務改善を推進される方はぜひ参考にしてください。

業務改善の目的と知っておくべきポイント

業務改善を行うことで得られる効果や、4M・QCDといった知っておくべきポイントについて以下で解説します。

業務改善は生産性アップや経営の安定に効果的

業務改善は、企業の生産性アップや経営の安定に効果的です。ムリ・ムダ・ムラをなくすことで、労働環境の改善・業務効率化・経費削減といった事業状況のさらなる向上が期待できます。

業務改善は、根幹的な目的に沿ったアプローチであることが必要です。そのため、売上アップや品質向上といった企業としての方向性や戦略も業務改善には含まれることを覚えておきましょう。

業務改善には4Mの要素に対する意識が重要

業務改善には、事業活動に欠かせない4Mの要素に対する意識を持つことが重要です。4Mに対する意識をしっかりと持つことで、業務の全体像が把握しやすくなります。

業務改善における4Mとは、

  • Man(人):従業員の能力・適正・配置など
  • Machine(設備):ネットワーク環境・サーバーなど
  • Material(モノ・材料):ツール・デバイス・ソフトウェアなど
  • Method(方法):業務フローなど

を指します。4つの視点から業務を俯瞰することで、企業が抱える問題の本質や原因、改善すべきポイントがわかりやすくなるでしょう。

QCDのバランスについても検討が必要

業務改善について考えるときには、QCDのバランスについても検討しましょう。QCDは業務改善の方向性や、重視すべき目標を設定する際の目安になります。

業務改善におけるQCDの考え方は、以下のとおりです。

  • Quality(品質):品質向上に顧客満足のアップ
  • Cost(コスト):コスト削減による競争力アップ・経営の安定
  • Delivery(納期):納期の短縮による生産性アップ

3つの要素はそれぞれトレードオフの関係にあるため、1つを重視しすぎれば事業のバランスが崩れてしまいます。品質はもちろん大切ですが、3つのバランスを上手く取って業務改善は進めましょう。

短期的な効果を求めすぎない

業務改善に取り組む際は、短期的な効果を求めすぎないことが成功させるポイントと言えるでしょう。低いコストで短い期間で効果が出る場合もあります。しかし、より大きな効果が期待できる業務改善は、行動に対して評価を行って改善に取り組むため、成果が出るまでに時間がかかるものです。

短期的な効果を求めすぎると、事業にインパクトのある業務改善が行えないだけでなく、効果が出る前に施策をやめるといった間違った判断につながりかねません。業務改善は長期的な視点を持って定期的に振り返りを行い、正しく成果を評価していくことがとても大切です。

業務プロセス改善の方法と手順

業務プロセス改善を効果的に進めるための、具体的な方法と手順について以下で解説します。

現状の業務の全体像の把握

業務改善のポイントを理解するために、まずは現状の業務の全体像を把握できるように可視化しましょう。業務内容、必要なタスクと所要時間、使用しているシステムやツール、関わる従業員や関連部署などについて把握する必要があります。

業務の全体像をしっかりと把握していないと、問題がどこまで影響を与えているか範囲がわからなくなり、改善すべき点を間違えてしまう危険性があるでしょう。現状の業務の正しい把握は、この後の手順の基礎となります。

業務フローを視覚化する上で、BPMNというフレームワークが役立ちます。

改善すべき課題を明確化と優先順位の決定

業務の全体像が把握できたら、次は抱えている問題について明確にします。解決すべき問題の優先順位は、改善によって見込まれる効果、かかるコスト、実行する難易度といった観点から決めるとよいでしょう。

業務改善方法を検討する

解決すべき問題が決まったら、具体的な改善方法について検討します。業務改善の方法について、考えるときはムリ・ムダ・ムラをなくすことが基本。課題に対して、不要なフローやタスクがないか、まとめられるものがかないか、変更できるものはないか、シンプルにできないかといった観点で改善策を検討していきます。

業務改善の方法について検討する際は、ECRSというフレームワークが役立ちます。

業務改善の計画を立てる

全体像の把握と改善方法の決定が行えたら、次に業務改善の計画を立てましょう。業務改善は、長期に渡る場合が多く、計画的に取り組まなければ失敗のリスクが高まります。業務改善の優先順位を念頭に置き、業務プロセス改善の具体的な方法を実施するスケジュールを決定します。

業務改善の計画を実施

計画が決まったら、業務改善の施策を実行に移します。その際は、計画に対して定期的に進捗確認を行うことがポイントです。もしも計画どおりに進めることが難しいと判断した場合には、原因を追求し適宜目標や計画の変更を行ってください。

業務改善の結果の振り返りを行う

計画どおりに改善策の実施が行えたら、モニタリングを行って必ず結果を分析して振り返りましょう。

業務改善の施策は一度実施したら終わりではありません。想定した成果との比較や問題点の再度洗い出しを行い、業務改善実施後の状況を踏まえて次の施策に取り組む必要があります。施策の実施によって得られた結果は、同様の業務を改善する場合だけでなく、他の業務の改善に取り組む際にも有効なデータとして役立ちます。

業務改善はその結果を踏まえて継続的に取り組むことで、より大きな成果を挙げることができるのです。

業務改善に役立つおもなフレームワーク

業務改善に役立つ主なフレームワークについて以下で解説します。

BPMN

業務の全体像を把握する上で、BPMNは役立つフレームワークです。BPMNは業務フローの表記法に関する国際基準で、記号を用いた表記によって視覚的に業務を把握できることが特徴。また、業務の階層がわかりやすく、国際基準なので外部の方にも伝わることがBPMNを利用する大きなメリットと言えるでしょう。

ECRS

ECRSは、業務の改善策を考える上で最適なフレームワークです。

  • Eliminate(排除)
  • Combine(結合)
  • Rearrange(再配置)
  • Simplify(簡素化)

の4つの観点で順番に考えていくことで、適切な改善策を短時間で導き出せます。

KPT

KPTは、業務改善の施策の振り返りを行う上で大きな効果を発揮するフレームワークです。

  • Keep:効果があり、継続すべきこと
  • Problem:課題があり、解決すべきこと
  • Try:Problemを踏まえ、新たに改善や解決に対する挑戦が必要なこと

施策を実施後の現状について、要素をKeepとProblemに分類。その上で、Problemに対する新たな方法をTryとして検討します。KPTを用いれば、業務改善に対する効果の検証とフィードバックがスムーズに行えるでしょう。

業務改善に役立つおもなツール

以下で、業務改善に役立つ主なツールについて解説します。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールは、社内の円滑なコミュニーケーションを実現するツールです。おもに、チャットツールやWeb会議ツールがコミュニケーションツールに該当します。

チャットツールは手軽にコミュニケーションが取りやすく、他のメンバーにも情報がスピーディーに共有可能。メールベースでコミュニケーションを行っている企業の業務改善に効果が期待できるツールと言えるでしょう。

タスク・プロジェクト管理ツール

タスク・プロジェクト管理ツールは、スケジュール・進捗・データ共有などのプロジェクトに関する情報の可視化に役立ちます。メンバー同士の情報の共有・確認やコミュニケーションにかかる手間が省け、ムダなタスクの発生も抑えられるでしょう。

RPA

RPAは、業務の自動化に効果的なツール。RPAにはさまざまな機能を担うことができますが、簡単に言うとパソコン上での繰返し作業や単純作業を、自動で行ってくれるツールです。

時間管理ツール「TimeCrowd」

「TimeCrowd」は、業務改善に取り組む際にまず導入を検討したいシンプルに扱える時間管理ツール。業務時間の見える化を実現し、業務プロセスのムダの削減が可能です。メンバーの業務の状況を把握し、業務改善のポイントを検討する上でTimeCrowdは大きく役立つでしょう。

時間管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

方法と手順をしっかりと理解して業務改善に取り組もう

業務改善は、生産性アップや経営の安定につながる重要な取り組みです。今回紹介した業務改善の方法と手順をしっかりと理解して、長期的な目線で取り組みましょう。

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