作業効率アップを望むなら、まずは睡眠から

台湾は5月に入って気温がグンと上がって蒸し暑い日が続いています。蒸し暑さのせいで夜もなかなか寝付けず睡眠時間が減ってしまうということも。

睡眠時間は大事だと考えている派のエンジニアの三宅です。みなさんは睡眠時間に対してどんな風に考えているでしょうか?

たまに見かけるのですが、連日徹夜で仕事をしていて、あたかもそれがすごいことのように話す人がいます。また自分は睡眠時間が短くても全然余裕だと言う自称「ショートスリーパー」さんもいます。

確かに納期が迫っている、仕事量が多くてどうにもならない、など長い残業時間、少ない睡眠時間でやり過ごすしかない状況もあります。

ただ本当にそれが自分のため、ひいては会社のためになっているのでしょうか?

寝だめでは解消できない睡眠負債

最近「睡眠負債」という言葉をよく耳にするかと思います。睡眠負債とは、例えば7時間睡眠が必要な人が毎日5時間しか寝ないと、2時間分の睡眠負債が生まれます。

それが5日間働くことで10時間分、20日間で40時間分もの睡眠負債が溜まることになります。この負債がそのまま脳へのダメージとなり、日中のパフォーマンス低下にも繋がってくるのです。

こういった話をすると自分は週末にたっぷり寝だめをするので大丈夫だという人がいます。ですが、どうやら睡眠負債は寝だめでは解消できないようです。

詳しくは下記の記事を読んでいただくとわかるのですが、要は人間には恒常的な睡眠欲と体内時計という相反する2つの時計が備わっています。その中でも体内時計が優先されるため、日常的に夜更かししている人は体内時計が光に反応してうまく眠ることができずに睡眠負債も返済できなくなってしまうのです。

寝だめでは解消できない睡眠負債を上手に「返済」するテクニック

睡眠不足は酔っ払いと同じ!?

もし同僚が朝から酒を飲んでほろ酔いで出勤してきたらどうしますか?ありえないですよね?そんな状態で仕事されたらどんな問題が起きるかわかりません。

では睡眠不足ならどうでしょう?仕事が立て込んでいるので仕方ない、納期が迫っているからなんとか乗り切るしかない、そうやってやり過ごしていませんか?

いくつかの研究結果によると睡眠不足は軽い酩酊状態と同じ状態になるというのです。

またこのように1日2時間の睡眠不足が14日間続くと、弱度酩酊状態といって、お酒を飲んで「ほろ酔い」の時の血中アルコール濃度とほぼ同じ脳の働きになるという実験結果が出ています。
「睡眠負債」が招きかねない4つの致命的ミス | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

また、睡眠不足によるこんな実験結果も発表されています。17時間起き続けているだけで、アルコール血中濃度0.05%(酩酊状態)にあたるパフォーマンスレベルに低下するというのです。徹夜をすれば、17時間はゆうに超えて起き続けるでしょう。その状態で資料を作成したり、大事なプレゼンに臨んでも、酔っ払いの人と同じ程度のパフォーマンスにしかならないということです。
睡眠リテラシーのすすめ 富士ゼロックス株式会社

ちなみに血中のアルコール濃度が0.05%〜0.10%だと、

  • ほろ酔い気分になる
  • 手の動きが活発になる
  • 抑制がとれる(理性が失われる)
  • 体温が上がる
  • 脈が速くなる

と言った状態になるようです。

酔いのメカニズム|お酒とうまく付き合う|CSV活動|キリン

脳が同じ酩酊状態になるのであれば、なぜ睡眠不足も同じように重要な問題と考える必要があるのではないでしょうか。

睡眠不足の解消には、まず生活習慣の見直しを

長期間に渡る睡眠不足のツケは同じく長い時間を掛けて返済していくしかありません。そのためには日々の生活習慣を見直して、睡眠時間を確保する必要があります。

当て所もないネットサーフィンの時間を減らしたり、私もやりがちですが、布団に入ってからスマホを弄るのをやめ、その代わりに30分、いや15分でも早く寝るようにするなど、細かな改善をするだけでも充分に睡眠時間を確保することができるはずです。

睡眠負債は短期間では解消することができません。そのため長い目で見て自分のためにも生活習慣を改善することが大切です。

ちなみに自称「ショートスリーパー」のほとんどはショートスリーパーではないようです。なぜならショートスリーパーは基本的に遺伝的な要因から生まれるものであって、その数は全体の4~5%前後だそうです。また、なぜ支障をきたさないのかは解明できていないようです。

そのため過信することなく睡眠時間を確保することがパフォーマンス改善の近道だと思います。

まとめ

近年は働き方改革などの影響もあり、生産性の向上、長時間労働の是正などの動きもあります。睡眠時間を確保することで聖戦性が向上し、効率良く仕事を終わらせることで長時間労働を減らすことができる。そんな好循環が今後色々な所で生まれてくると、働く人たちみんなが幸せになれるのではないかなぁと妄想しながら今日のところは終わりたいと思います。

 

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