リモートワークや個人事業というと、どうしても「一人でやる」ことがクローズアップされます。会社で働くのと異なり、自分のライフステージやライフスタイルに合わせて働けるので、会社員と比べて「自由」だとか「カジュアル」なイメージが付いて回るのも、リモートワークの特徴ですね。ただ、実際に始めてみると、自由でカジュアルなのは事実ですが、自分自身で責任を負いながら、自らを律しながらの働き方であることに直面します。
そんな時に自分の指南書として取り入れているのが書籍「社長の心得」(小宮一慶 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
書籍「社長の心得」とは
「経営者目線」という言葉があります。ビジネスパーソンであれば、上司に「経営者目線で仕事をしろ」と言われたことがあるかも知れませんね。生産性を意識して業務効率化を進める上でのキーワードで使われることもあるでしょう。
自分がいつ、何を、どのくらい時間をかけてやっているか。それはTimeCrowdを活用することで「見える」化できます。しかし、実際にそれが見えるようになるだけでは、業務効率化や生産性の向上、あるいはあなた自身の働き方改革が進むことにはつながりません。
情報は使われてこそ価値があります。それをどう使うかで、導かれる結果は大きく変わります。
今回紹介する書籍「社長の心得」は、社長、つまり経営者のために書かれたものです。
個人事業者というのは、経営者であり、自分の全職務に自分で責任を取らなければいけない「社長」です。また、リモートワーカーに自己管理は必須です。著者の小宮一慶さんは、長年経営コンサルタントをしてこられた方で、冒頭にこう書いておられます。
私の仕事の目的は、私の関わった経営者の方に、良い会社を作っていただくことです。
その会社が提供する商品・サービスを手にするお客様にも幸せになっていただくことを通じて、経営者も、その会社で働く従業員の方にも、幸せになっていただきたい。
この本を私たちリモートワーカーが役立てる上で、必須になるのは「読み替え」。社長・経営者、そして従業員とは「あなた自身」。私たちが提供するサービスは「リモートワーカーとしてのスキルと実務」、お客さまとは「クライアント」であり、その先にいる「最終利用者」の皆さまです。
この文章を個人事業者にあてはめると、社長・経営者、そして従業員は自分、お客様はクライアントです。働く環境を整え、自分自身もクライアントも幸せになれるように考えるのが「社長の心得」として重要なのです。
「社長の心得」では、経営者が常に意識すべき視点、考え方が、それぞれ見開きで解説されています。最初のページには、強いメッセージがわかりやすく大刷りされ、左のページは解説があります。
著者の自慢話と体験談でページが埋め尽くされたビジネスノウハウ本も多い中、この書籍「社長の心得」には、読者が自分の事業で活かせる「実用性の高い一般論」がたくさん綴られています。安易な精神論や理想論ではなく、長年コンサルタントをしてきた小宮さんの真髄とも言うべき、具体的で的確なアドバイスが詰まっています。
まとめ
リモートワーカーになってしばらくすると、生活パターンも、仕事のやり方も固定されていきます。果たしてそれが「理想の体現」なのか、あるいは「慣れの結末」なのか。「社長の心得」の素晴らしいところは、答えをくれるのではなく考える機会をくれる点。それゆえに、読む人にピッタリあった「相談相手」になってくれます。
あなたが個人事業者ならぜひ一読して、そのアドバイスを活かしてみませんか。働き方とは考え方です。そしてあなたは社長であり、マネージャーなのですから、あなたという従業員を育てる責任があります。仕事術や業務効率化は、仕事を進めるための「道具」にすぎません。この書籍にはこれらの道具を実際に使う「仕事人」としての考え方が詰まっています。
読後、あなたの働き方が大きく変わるはずです。私は、変わりました。ぜひ試してみてください。