アウトプットですり減った自分を回復させる方法

最近では、ビジネスなどさまざまな場面で「インプット」と「アウトプット」という言葉を耳にする機会が多くなってきました。「インプット」と「アウトプット」についての書籍や記事も多く出回っており、そのなかで「インプットよりもアウトプットの方が重要」と囁かれているものも多いですよね。

また、「インプット」と「アウトプット」の認識が高まる中で「アウトカム」という言葉についても取り上げられるようになってきました。

先日、経営者の知人やクリエイティブ活動をおこなっている知人と「インプット」と「アウトプット」そして「アウトカム」について話す機会がありました。なかでも「インプット」と「アウトプット」の重要性について話したことで、私自身のインプットが増えたので、それをアウトプットしますね。

「インプット」「アウトプット」「アウトカム」とは

まずはそれぞれの言葉の整理をしていきましょう。

「インプット」とは英語で「input=入力」を意味します。新たな知識や経験を取り入れることを「インプット」といいます。たとえば本を読むこと、セミナーに行くこと、学習すること、新しい体験をすることすべてが「インプット」になります。

一方「アウトプット」は「output=出力」です。これはインプットした新たな知識を外に披露すること。つまり自分から発信することが「アウトプット」です。

そして「アウトカム」とは成果のこと。「アウトプット」で発信するものが自分の血肉となり、成果や結果につながることをいいます。

「インプット」「アウトプット」はどちらが大切?

「インプット」と「アウトプット」はどちらが大切かという論議がありますが、この2つはバランスが大切です。どちらかが少なくてもダメで、多すぎても結果(アウトカム)につながりません。インプットは多すぎても力の持ち腐れとなり、自分のものになるまでに時間がかかります。

アウトプットばかりをしていると、やがて自分の中の何かが、「カツオ節」が削れ細くなっていくようにすり減っていることに気が付くはずです。「燃え尽き症候群」などは、アウトプット過多の典型例。

私は自分の仕事やライフスタイルに合わせたインプットとアウトプットのバランスが大切だということを改めて実感しました。クリエイティブ活動が仕事の知人は1カ月に10本以上の映画を見ます。一見、これがインプットになるとは考えにくいですが、知人にとっては大事なインプット。分野の違うさまざまな作品に触れることで、新しいアイデアが浮かぶそうです。

クリエイティブな活動の中では、常に何かを生み出すアウトプットがつきものです。そんな知人にとっては、インプットが何より大切になります。新しいものを常に生み出すために、新しい知識やインスピレーション、体験が常に作品につながるからです。また散歩や、「何もしないで空をみる」ということなども大きなインプットなのだそうです。自然の色や歩く人、建物すべてが新しいアイデアに変わるのだとか。気分転換や休息も、実は大切なインプットなのですね。

クリエイティブな仕事でなくても、インプットは大切です。特に、経営者やリーダーは、自分のアウトプットを維持するために継続的にインプットすることが重要です。なぜなら経営者やリーダーは部下に自分の考えを伝え続け、導いていかなければならないからです。そのために、常に何かを誰かにアウトプットし続けなければならりません。

しかし経営者のインプットは必ずしも新しい何かを学習するというものではありません。誰かの意見を聞き、人と話すことこそが、経営者やリーダーにとってのインプットなのだといいます。

経営者は独善の罠思い込みの罠経験則の罠の三つに気を付けなければならないのだとか。他の人の話を傾聴し、常に自分自身をアップデートしていくのが、経営者として優れたアウトプットを続ける秘訣なのだそうです。

私自身、インプットとは、本を読み、セミナーに参加して新しい知識を蓄えていくことだと思っていました。そして蓄えた知識を自分のものにするためにアウトプットし続けることが大切だと考えていました。この考え方ももちろん間違いではありません。

しかし、その考え方にこだわる必要がないことに気づかされました。幅広い分野のものからインプットすることで、自分のアウトプットにも磨きがかかり、よりよいアウトカムができあがっていくのだと考えさせられたからです。

時間がないなかでも、インプットできる手法はさまざまです。本だけではなく、だれかと話す、映画を見る、散歩をする、お風呂で歌を歌う、これらのすべてに小さな気付きがあり、インプットとして自分の身になるということも、経営者の知人は話していました。

自分のスキルや生産性を伸ばすためには、新しい何かを得ることが不可欠になってきます。新しい何かは、本やセミナー以外で学べることも多いです。本やセミナーだけでなく、思い切ってさまざまな分野や方法でインプットしてみるといいでしょう。

そして大きなアウトプットを通して、大きなアウトカムを手に入れましょう。

TimeCrowdに戻る