デザイナーの仕事は、評価基準が抽象的なものになることが多く、数値的な目標を設定しにくいのが特徴です。しかし、デザイナーも目標を設定することでモチベーションや生産性の向上といった効果が期待できます。
この記事では、デザイナーの目標設定のメリットや、目標設定を行う手順、目標設定をする際のポイントについて解説します。デザイナーの目標設定や達成に役立つツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
デザイナーの目標設定が重要となる理由
デザイナーの目標設定が重要となる、以下の理由について解説します。
- モチベーション向上につながる
- 成果に対する評価をしやすくなる
- スキルアップや生産性向上につながる
モチベーション向上につながる
デザイナーの目標設定をすることで、モチベーション向上につながります。
デザイナーは数値的な目標や評価に直結する目標を立てにくいポジションですが、目標を立てないとスキルアップや組織への貢献につながっている実感が得にくく、モチベーション低下につながるおそれがあります。
デザイナーの目標設定で重要となるのが、行動方針が明確になるという点です。経営目標に関連した目標を設定したり、数値で評価できるような目標を設定することで、目標を達成する実感やスキルアップ、会社への貢献といった実感が得やすくなります。
目標設定に向けて能動的に動けるようになり、評価アップにもつながるため、モチベーション向上が期待できます。
成果に対する評価をしやすくなる
デザイナーの目標設定をすることで、成果物に対する評価基準が明確になり、評価を行いやすくなるというメリットがあります。
デザイナーの成果物に対する評価は抽象的になる場合が多いため、明確な目標がないと評価もしにくくなります。目標や評価軸がないと成果物の質をどのように高めればいいのかが曖昧になってしまいがちです。
デザイナーの成果物に対する目標を設定することで、成果に対する評価がしやすくなり、昇給や昇進だけでなく、スキルアップやモチベーション向上にもつながります。
スキルアップや生産性向上につながる
デザイナーの目標設定が、スキルアップや生産性向上につながるという点も重要なポイントです。
デザイナーの仕事は感覚や経験に頼る部分も大きく、スキルや成果物の質についての目標が立てにくいという特徴があります。ただ、明確な目標がないとスキルアップや生産性向上の必要性や方向性がわかりにくくなり、現状維持になってしまう場合があります。
明確な目標を設定することで、スキルアップや生産性向上につながり、組織にとってもデザイナー本人にとってもメリットが期待できます。
デザイナーの目標設定を行う手順
デザイナーの目標設定を行う手順について解説します。
- チームや会社の目標を明確にする
- 現状のスキルや業務を棚卸しする
- 中長期的なキャリアビジョンを立てる
- 組織目標とのギャップを洗い出す
チームや会社の目標を明確にする
まずはデザイナーが所属しているチームの目標や、組織、会社の経営目標などを明確にします。
デザイナーの目標を設定しても、個人のためだけの目標だとチームや会社への貢献度を評価できなくなってしまいます。会社への貢献を実感することでモチベーションアップにつながる可能性もあるため、まずはチームや会社の目標を明確にすることが重要です。
現状のスキルや業務を棚卸しする
デザイナー本人が持っている、現状のスキルや経験を洗い出します。現在どのような業務を行っているのかについても棚卸しを行い、現状の可視化をすることが重要です。
また、自分の強みや弱みを洗い出すことも重要です。周囲の評価やフィードバックなども参考にし、デザイナー本人の現在の立ち位置を明確にします。
中長期的なキャリアビジョンを立てる
直近の目標だけだと、「とりあえず仕事をこなす」「現状を維持する」といった着地になってしまいがちです。3年後・5年後・10年後といった、中長期的なキャリアビジョンを立てます。
自分がデザイナーとしてどのようなスキルや経験を培いたいのか、どのようなポジションを目指したいのかについて、中長期的なキャリアビジョンを立てることが重要です。自分の価値観や仕事のやりがいなどを言語化するほか、前のステップで洗い出した現状をもとにビジョンを設計したり、ロールモデルを参考にキャリアビジョンを立てる方法があります。
組織目標とのギャップを洗い出す
デザイナー本人の現在の仕事や経験、スキルと、組織的な目標とのギャップを洗い出します。また、デザイナー自身のキャリアビジョンとのギャップも洗い出すのがおすすめです。
ギャップを明確にすることで、そのギャップをどう埋めるか方針が立てやすくなります。デザイナー自身のキャリアビジョンと組織目標にギャップがあった場合も、共通点がないか、どこに落とし所を見つけるかといった分析がしやすくなります。
ギャップを埋めるための具体的な行動方針を立てる
デザイナー自身のスキルや経験、キャリアビジョンと、組織的な目標とのギャップが明らかになったら、そのギャップをどのように埋めるのかについて具体的な行動方針を立てます。
行動方針も曖昧なものではなく、明確なものを立てることが重要です。たとえば「スキルアップする」ではなく「◯◯の資格を取る」、「顧客満足度を上げる」ではなく「CVRを◯%アップしてクライアントに価値提供をする」などがあげられます。
デザイナーの目標設定の具体例
デザイナーの目標は、具体例として以下のような項目があげられます。
- 業務の効率化
- UI/UXデザインの質の向上
- 知識習得・スキルアップ
業務の効率化
「成果物の提出が、納期を過ぎたりギリギリになったりしてしまう」「もっと多くの業務をこなしたい」といった課題がある場合は、業務の効率化を目標に設定することができます。
業務を効率化するためには、タスクのやり方や順序、使用しているツールを見直すといった方法があります。
現在の業務内容を洗い出し、ミスや手戻りが多いタスク、時間がかかりすぎているタスクを特定し、優先的に改善するのがポイントです。時間がかかり過ぎているタスクを特定するにはTimeCrowdのような工数管理ツールを用いるのがおすすめです。TimeCrowdはタスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻するだけというシンプルな操作性が特徴のツールです。時間がかかりすぎているタスクをリアルタイムで特定し、迅速に業務改善に取り組むことができます。
時間管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードUI/UXデザインの質の向上
UIデザイナーやUXデザイナーの場合、ユーザビリティを向上させ、UI/UXデザインの質を高めることを目標にするのも1つの方法です。
たとえば、以下のような目標を設定できます。
- ユーザーテストやヒアリングを2回行い、ユーザーエラー率を10%下げる
- タスク成功率を10%アップする
- タスク処理時間を2秒下げる
知識習得・スキルアップ
対応業務の幅を広げたり成果物の質を高めたりするために、新しい知識やスキルを習得するという目標を設定することもできます。
たとえば、以下のような知識やスキルの習得が目標として設定できます。
- タイポグラフィやレイアウトの知識
- UI/UXに関する知識
- PhotoshopやFigma、Illustratorといったツールの知識
今後のキャリアアップや業務で必要となる場合は、マネジメントや英語のスキルを身につけるのも1つの方法です。
デザイナーの目標設定を行うポイント
デザイナーの目標設定を行う際に気をつけたい、以下のポイントについて解説します。
- SMARTの法則を意識した目標設定を行う
- 結果だけでなくプロセスも評価する
- 定期的な振り返りやフィードバックを行う
SMARTの法則を意識した目標設定を行う
目標設定を行う場合は、具体的かつ達成可能な目標を設定するのがポイントです。SMARTの法則を使うことで目標を立てやすくなります。
- Specific:具体的である
- Measurable:測定可能である
- Achievable:達成可能である
- Related:経営目標に関連している
- Time-bound:目標を達成する期限
結果だけでなくプロセスも評価する
デザイナーの評価を行う際は、結果だけでなくプロセスも評価することが重要です。
デザイナーの仕事を定量的に評価することで公正な評価をしやすくなりますが、数値主義に陥ってしまうのは避けるようにしましょう。数値主義に陥ってしまうと数値化できる業務以外の仕事が疎かになったり、モチベーションの低下につながったりする可能性があります。
目標を達成したかどうかだけではなく、どのように目標に取り組んだかというプロセスも評価することが重要です。創意工夫や意欲、顧客からのフィードバック、コミュニケーションなど、定性的な部分の評価も必要です。
定期的な振り返りやフィードバックを行う
目標を設定しただけで終わってしまうと、優先度が下がってしまう場合があります。定期的な振り返りを行い、進捗を確認するのがポイントです。
また、目標そのものの変更や、達成のための行動計画の変更が必要になることもあります。早めに軌道修正するためにも、定期的な振り返りが重要です。
フィードバックも定期的に行い、努力を評価したり、目標までのギャップを確認して今後について話し合うことが重要です。
業務効率化を目標に時間管理をする
デザイナーの目標設定をすることで、生産性向上やスキルアップ、モチベーション向上といったさまざまなメリットが期待できます。チームや組織の目標と個人の目標を関連づけることで、行動方針が明確になる、貢献の実感が得やすくなるといったメリットがあります。
デザイナーにとって、業務の効率化も重要な目標の1つです。業務を効率化することで、成果物の質向上や、チームや他部署との連携改善、スキルアップのための時間捻出につながります。
業務効率化のためには、まず時間管理を行う必要があります。時間管理ツールであるTimeCrowdを活用することで、時間がかかりすぎているタスクを特定することが可能です。また、改善施策の実施前と実施後で時間をどれくらい短縮できたか客観的に計測することができます。
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