2020年秋口よりTimeCrowdを本格導入した株式会社スカイアーチネットワークス(以下、スカイアーチネットワークス)では、TimeCrowdを「メンバーを守るツール」と捉えています。加えてTimeCrowdを活用し、それぞれが本当にやるべき仕事に時間を割く体制を整えています。
そんなスカイアーチネットワークスは、一体どのような経緯でTimeCrowdを導入し、どう活用しているのでしょうか。
今回は株式会社スカイアーチネットワークス コーポレート本部 副本部長 吉川将司様に、TimeCrowd導入の経緯や活用方法などについてお聞きました。
コーポレート本部 副本部長 吉川将司様
おもちゃのバンダイに新卒入社、営業・開発など事業部門を3年間経験した後に管理部門に異動。以来、約10年、採用・研修などHR領域を経験。その後はファッションブランド、製薬会社を経てIT業界に。上場からオーナー企業までの幅広い経験と、ゲームメソッドを活用した組織人事戦略の企画運用が特徴。リモート勤務で三児の父。
TimeCrowd導入前の課題
- リモートワーク下において、“誰が何をしているか”が分からないという問題があった
- リモートワークでメンバーの業務プロセスが見えなくなり、結果が出せないメンバーのフォローが難しくなった
TimeCrowd導入後の効果
- メンバーの業務が可視化され、全社的な業務の見直しができた
- メンバーが想定していた成果を出せなくても、TimeCrowdの記録を用いてメンバーをフォローし、改善に繋げることができている
従業員満足度が第一
スカイアーチネットワークスの事業内容を教えてください。
当社はサーバー構築・運用・監視などサーバー周りのお手伝いをしているサーバー管理会社です。
最近ですと、AWSのサービスをメインで提供しています。2021年3月時点で521社へ、AWSを含むクラウド導入実績があり、大学から通信、メディア、ホテル、建設業界など幅広い業界へ、サーバー周りのご支援をさせていただいております。
AWS:アマゾン ウェブ サービス。Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスのこと。
スカイアーチネットワークスは従業員満足度を重視されているとお聞きしました。
当社は「サービスプロフィットチェーン(以下、SPC)」を全ての事業計画の真ん中に据えています。
SPCとは簡単に言うと、「従業員満足度が上がると、売上も上がる」というフレームワークのこと。「従業員満足度UP→売上UP」の順番であり、決して逆ではありません。
そのため、当社がすべきことはまず従業員満足度を上げること。特に私たちコーポレート本部は、いかに従業員に尽くして従業員満足度を上げるか、を最大の課題としています。
従業員満足度を上げるために具体的にどのような取り組みをしていますか?
要改ポスト、いわゆる目安箱を導入し、記名でも無記名でも、誰でも気になったことを気軽に投稿できるようにしています。そして、投稿された要望は、毎週1回開かれる部長以上の会議にて議論され、“誰がいつまでに何をして解決するのか”を決めます。
1ヶ月に平均1~2つ程度投稿されるのですが、全ての要望を必ず議論し、2週間以内に確実に改善しています。
TimeCrowdはメンバーを守るために活用
TimeCrowdを導入する前の課題について教えてください。
当社は2020年2月頃よりリモートになりました。
リモート初期、勤務中はZoomを繋ぎっぱなしにして、いつでも互いに声をかけられる環境にしていました。ただ、Zoomを繋ぎっぱなしだと、回線に負担がかかり、パソコンのスペックが落ちてしまいます。加えて、「これはただオフィス勤務の環境をインターネットで再現しているだけで、リモートワークの発想ではないのではないか」という話になり、Zoomを止めました。
ただやはりマネージメントの観点からも“誰が何をしているか”が分からないといけません。そこでTimeCrowdを導入しました。
他にTimeCrowdを導入された理由はありますか?
「メンバーを守るため」にもTimeCrowdを導入しました。
リモートで業務プロセスが見えづらくなると、どうしても結果が問われがちになります。「何しているか分からないけど、結果を出してもらえれば問題ないよ」という会話になりやすいからです。たださまざまな事情から全員が全員、結果を出せるとは限りません。
そこでTimeCrowdで業務内容を記録することで、例えメンバーが想定していた結果を出せなかったとしても「いや、彼はこれだけ頑張ったんですよ。それでもできなかったということは、業務量が多すぎなので、減らしましょう」とマネージャーに伝え、メンバーを守ることができます。そういう意味で、当社にとってTimeCrowdはメンバーを守るためのツールなんです。
TimeCrowdはどのような使い方をされていますか?
基本的に業務中はTimeCrowdを稼働させています。そして、当社の場合は業務内容別に、大カテゴリーを9つ(部署によってより細かく分ける場合も)に分け、業務時間を計測しています。
01)対顧客活動(直接)や02)会議・打合せ(全社朝礼含む)、07)E-mail・Slack・電話対応などの大カテゴリーに分かれている
大カテゴリーのうち、当社では「01)対顧客活動(直接)」と「02)対顧客活動(間接)」の時間を徹底的に増やすようにしています。
「01)対顧客活動(直接)」・「02)対顧客活動(間接)」とは何でしょうか?
当社ではメンバー全員がKPIを設定しています。そのKPIに直接的に関わる業務が「01対顧客活動(直接)」、間接的に関わる業務が「02対顧客活動(間接)」です。例えば、当社の採用担当は「人を入社させること」がKPIなので、
- 採用に直接的に関わる「面接」→01)対顧客活動(直接)
- 採用に間接的に関わる「求人を出す際に必要な業務」→02)対顧客活動(間接)
に分類されます。当社ではこの「01)対顧客活動(直接)」と「02)対顧客活動(間接)」の時間をなるべく増やし、それ以外の非効率的な業務時間を減らすことで、KPIの達成を目指しています。この取り組みは業務時間の計測が必須なため、TimeCrowdなしには成り立ちません。
↑スカイアーチネットワークスではメンバー全員がKPIを設定して、達成率を計測している(個人BSC(バランススコアカード)シートの一部抜粋)。
KPI:目標達成のための「中間目標」として有効な指標。例えば目標を1,000万円売上UPとした場合、その目標を達成するために設定した「商談件数○件・受注件数○件」などをKPIという。
実際、非効率的な業務は多かったですか?
多かったです。例えばTimeCrowdで計測した結果、「07)E-mail・Slack・電話対応」の時間がすごく多いことに気づきました。ただ「07)E-mail・Slack・電話対応」は「01)対顧客活動(直接)」と「02)対顧客活動(間接)」以外の非効率的な業務です。そこで「これは社員がやる仕事ではない」という判断の下、電話対応は全て外注でお願いしています。こうした取り組みでも「01)対顧客活動(直接)」と「02)対顧客活動(間接)」の時間を増やせるようにしています。
そのほか、スカイアーチネットワークス独自のTimeCrowdの活用方法はありますか?
「05)学習・研修、セミナー受講」の時間を、全業務の時間のうち12.5%とるようにしています。1日8時間勤務ですので、12.5%は1時間にあたります。つまり、1日1時間は業務時間中に勉強しましょう、ということです。当社は最先端のAWSのサービスを提供しており、どんどん新しいサービスが出てくるので、1日1時間ペースくらいで常に学習をしてお客様に価値を提供していかなければなりません。この学習時間をTimeCrowdで記録しています。当社は真面目でエンジニアリングが好きなメンバーが多く、しっかり学習してくれていると感じています。
TimeCrowdはシンプルで使いやすい
数ある時間管理ツールの中で、TimeCrowdを選んだ理由を教えてください。
第一に「使いやすさ」。複数の時間管理ツールを試しましたが、シンプルな仕様で一番使いやすかったです。また「記録を修正できるところ」も良かったです。他社さんのツールは一度ボタンを押すと記録を修正できないものもありますが、TimeCrowdは押し忘れても、後で直せます。普通に押し忘れもあると思うので、信頼をベースにしている当社としては、後からでも修正して業務時間を記録できるTimeCrowdの方が相性が良いんです。
時間管理ツールの導入検討をしている担当者へ、メッセージをお願いいたします。
TimeCrowdはシンプルなツールなので、スムーズに導入・運用を始められる点が特徴かと思います。またTimeCrowdを使うことで、良くも悪くも数字が出ます。そのため、今まで気づかなかった非効率な業務もあぶり出せるでしょう。当社としても、工数管理だけでなく、全社的な業務の見直しができた点はTimeCrowdを導入して非常に良かったと感じています。
編集後記
TimeCrowdを個人の業務時間の見直しだけでなく、全社的な業務時間の見直しにまで活用されている点がとても印象的でした。働く側としても、自分が本来やるべき仕事に時間を割けられるので、働きやすい環境だと感じているのではないでしょうか。
TimeCrowdは業務時間を見える化するシンプルなツールではありますが、ここまで会社のあり方に影響を与えるツールでもあります。「全社的に業務時間を見直したい」と考えている方はTimeCrowdを利用してみてはいかがでしょうか。