製造現場にある「時間管理」の取り組みを、事務職の現場でも導入。業務状況を可視化し、ボトルネックを特定できる体制へ

汎用ボイラ・空調機器・ヒートポンプ等の設備、及びそれら部品の設計・製造・販売等を行う川重冷熱工業株式会社

事務所スタッフの業務改善を進めるなかで、さらなる改善には業務状況の可視化が必要と考えたことから、時間管理ツール「TimeCrowd」を導入していただきました。その結果、非定常業務(例:トラブル対応)に多くの時間を割いていることがわかり、業務改善に向けた方向性を定めることができたようです。

今回は、生産総括室で製造部長を務める高原隆治様にお話を伺いました。製造業の方はもちろん、事務職をはじめとした間接部門の業務改善をご検討されている経営者・管理職の方はぜひ参考にしてください。

■プロフィール

川重冷熱工業株式会社
生産総括室 製造部長
高原隆治様

■TimeCrowd導入前の課題

  • 業務状況を細部まで把握するのに苦戦していた

■TimeCrowd導入後の効果

  • 「誰が・どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」が可視化された
  • 従業員一人ひとりの時間に対する意識が向上した

現状を正しく把握するためにTimeCrowdを導入

──最初に貴社の事業内容について教えてください。

当社(川重冷熱工業株式会社)は、汎用ボイラ・空調機器・ヒートポンプ等の設備、及びそれら部品の設計・製造・販売等を行う会社です。前身時代の1959年に日本で初めて吸収冷凍機を製造して以来、1964年に世界で初めて二重効用型吸収冷凍機を製造し、その後さらに省エネ性能を高めた三重効用吸収冷温水機やソーラークーリングシステム(太陽熱利用)の商品化を行うなど、これまで先進的な製品の開発・製造・販売を手掛けてきました。

その中でも私は「生産総括室」という部署で製造部長を務めています。製造を担う部署なので、基本的にはSQCD(安全・品質・コスト・納期)といった目標に基づき、日々ものづくりの現場を取りまとめています。

──どのような背景から、時間管理に取り組もうと思いましたか?

従業員一人ひとりが一生懸命になって業務に取り組むなかで、さらなる業務改善や業務効率化を進めるには「まずは現状を正しく把握することが重要なのではないか」と思ったことがきっかけです。

とくに当部では、もともと外注品に起因する不良コスト(※)の多さが業務上の課題として挙げられていました。事務所スタッフは、毎日のようにトラブル対応に明け暮れており、本来の業務に専念できていない状態でしたので、管理者である私も含めて、まずはみんなで「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を改めて客観的に把握したいと考えていました。

※不良コスト:不良品が発生した際に修理や対応にかかる費用や時間のこと

──数あるツールのなかで、TimeCrowdを導入いただいた理由を教えてください。

できるだけ現場に負担のかからない、シンプルな操作性のツールを探していました。Webでの検索を通じて、いくつかのサービスを比較するなかで、TimeCrowdが予算的にも機能的にも条件に合致していたため導入を決めました。

細かい部分ではありますが、とくに「次のタスクの計測に移る際に(次のタスクのスタートボタンを押せば)終了したタスクのストップボタンを押す必要がない」部分が魅力的でした。打刻が簡単にできれば、運用が形骸化するリスクも少ないと感じたためです。

▼(例)TimeCrowdの打刻画面

※上記は実際の入力内容ではありません

従業員一人ひとりの時間意識の向上を実感

──TimeCrowdを導入してから、どのような効果がありましたか?

タスクを打刻する際に、定常/非定常に分けて記録するようにしたことで「本来自分たちが向き合うべき業務(=定常業務)にどれぐらい向き合うことができているのか」を意識づけることができました。

もちろん非定常業務(例:トラブル対応)は現場として対応するべきことのひとつです。ただし、ここを改善しない限り、本来の業務(=定常業務)の改善にあてる工数を確保できないことが明らかになりました。当初からある程度勘づいていた部分ではありますが、改めてそれを全員で把握できたのは非常に大きかったです。

──その他にも導入してよかったことがあれば教えてください。

従業員一人ひとりの時間意識が高まったと感じています。一般的な製造業の現場では「標準作業時間(※)」というものが設けられています。それを超えると「なぜ超えたのか」を問われ、作業者は「経験が浅いメンバーの習熟度を高めるために時間がかかりました」など、何かしらの回答を求められることになります。

※標準作業時間:標準的な習熟度のメンバーが、標準的な方法のもと作業を行なった際にかかる時間のこと

このような時間管理の仕組みは、当社も含めて製造業の現場では当たり前に存在する一方で、事務職の現場ではあまり見かけることはありません。もちろん事務職の業務範囲は多岐にわたるため、一つひとつの作業時間を正確に図るのが難しいという側面はあります。しかし、完全な再現はできなくても、ある程度でも良いので自分たちなりに管理しようと努力することが大切だと考えています。

ただし、これをエクセルなどで取り組んでいたら途中で挫折していたと思います。簡単に記録できるTimeCrowdだからこそ、毎日不自由なく使い続けることができています。

今後は人員計画にも活用していきたい

──今後はTimeCrowdをどのように活用していきたいですか?

最終的には人員計画に活用できるようにしたいです。「これぐらいの業務量があるなら、これぐらいの人員が必要です」というのをデータで示すことができれば、採用や人事異動の意思決定にも役立ちます。

また「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」をデータとして記録することで、いざというときに役に立つ場面が出てくると思います。何か新しい取り組みがしたいときに、手元にデータがあれば「どれぐらいの改善余地があるのか」「実際にどれぐらいの効果があったのか」などをすぐに確認できるためです。このように、さまざまな活用方法を見据えたうえで、今後も引き続きTimeCrowdを活用していきたいと思います。

編集後記

川重冷熱工業様のように、最近では事務職などの間接部門の現場でTimeCrowdをご利用いただくケースが増えています。

とくに最近では、各社で働き方改革が進むなかで「働いた時間」に対してではなく「成果」に対する評価を行う動きが年々強まっています。なかでも効率性が求められる事務職の現場では「生産性」という観点から、適切な評価を行う制度設計が求められているでしょう。

TimeCrowdを活用することで、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を記録することができます。また、カレンダーアプリ(Google・Outlook)と連携することで、予定していたスケジュールをもとに自動で打刻することも可能です。業務改善を行う際のボトルネックの特定や、効果計測などに役立てることができます。

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